美しくも心動かす映像とティモ・ボルのルーツ

長い間こんな映画を待っていた。極めて入念に詳細に卓球を描写したこの90分の映画は、我々のような卓球の専門家さえも魅了する。監督のヨルグ・アドルフは、2000年ヨーロッパ選手権ブレーメン大会をめざすティモ・ボルとラース・ヒールシャーに一年間にわたって密着し、彼らのコーチや両親、チームメイト、ジャーナリスト、用具メーカーまでも取材しフィルムに焼き付けた。ハードな生活と華やかなスポットライト、夢と孤独に彩られた若いふたりの日常を繊細かつ愛情あふれる眼差しで描いた、これは稀有なドキュメンタリーである。とりわけこの映画は、ボールをコントロールできるギリギリの「魅惑の境界領域」で争われる我々のスポーツの姿を描く。「卓球は単なる楽しいスポーツというよりはむしろ芸術です」とヨルグ・アドルフは語る。
●日本語字幕スーパー付き
●収録時間約90分＜＜サンプル動画＞＞
監督：ヨルグ・アドルフ
DocCollection社製作
ドイツ2001年ベスト・ドキュメンタリー賞受賞